職人もいない、材料もない
@事務所より
先日、ある先輩と電話していたときのこと。
岸下「台風関連の仕事、多くないですか?」
先輩「多いなぁ。もともとあった仕事に、支障をきたしてるわ。めっちゃまずい。」
その先輩は、職人さんではなく、工務店をされている方。
本当の同業種です。
先輩「最近、職人捕まえることできる?」
岸下「いやぁ、業種にもよりますけど、難しいですよね」
職人も連絡を受けて、現場に来たり、やるってなると、その現場を納めないといけない。
これがあるので、今の仕事が目一杯になると、電話すら出ない人もいます。
先輩「それだけなら、まぁまぁって感じやけど…
材料も入って来ーへんくない?」
そうなんです。
今、ゼネコンレベルだと、本当に建築ラッシュと言っていいほど。
普段なら、2〜3日で手に届くものが、1ヶ月先って納期回答が出ることも。
まったく、先にが見通せない。
東京オリンピック特需で、関西から職人が減っていることにも原因がありますが、関西・京都でも同じような建築ラッシュです。
そこいらで立っている足場は、何も台風被害によるものだけではありません。
建築といっても、住宅関連より、ホテルなどの宿泊施設、会社の倉庫、社屋等が多いみたいです。
それだけ、景気も回復傾向なのでしょう。
これも増税への駆け込み需要の一つでしょうが、それはいいことです。
しかし、その建築ラッシュだけで、建築資材がかなり取られている状態です。
設計士の方から聞いた話です。
躯体に鉄骨を使っているのですが、その製造工場が「これ以上は受けられない」と言われているようです。
鉄骨に限らず、ほかにも、不足しているものが多いです。
しかも、軒並み、資材が値上げされてきています。
資材に関しは、今に始まった話ではありません。
コンクリートなんかは、すでに高騰しています。
分譲マンションの価格が高騰しているのは、実は建築材料費が高騰、また、人件費の高騰が原因となっています。
分譲マンションの営業の方と話したとき、買い替えのお客様から必ず言われることは、「価格が高くなった」と言われるとのこと。
10年前と比べ、同じ広さ・間取りだと、かなりの差になります。
もし、あなたが今、新たな物件や施設を建築しようかな?と、頭の中でお考えなら、その価格上昇は描いておいた方がいいですよ。
思いの外、コストが上昇していますから。
AIが発達したら、建築コストは下がるのでしょうか?
しかも、ここにきて、北海道での製造されたものが、流通していなかったり、関西方面の大雨・地震・台風被害から、流通が止まっていたりと、さらに追い打ちをかけている状態です。
職人も捕まらないのに、材料もない。
目の前に仕事があるのに、なんやろ、これ…って状態です。
こういつ価格の上昇に、今より、もっと価格の安い業者に走るのもいいと思いますが、安さには限度があります。
原価が掛かりますから。
それに、職人はある面で、価格に見合った仕事しかしないケースがほとんど。
手を抜かれても、素人にはわかりません。
ウチも、もちろん、価格の維持を常に意識し、必要であれば仕入れ先の変更も検討いています。
でも、安過ぎる問屋には裏があったりするもんです。
職人を含め、品質の維持とのせめぎ合いもあるので、なかなか難しい問題です。
と危険情報のような、愚痴のような情報ですが、すべて受け入れて、前を向いていくしかありませんよね。
こうなると、あなたに言えるのは、今後の価格上昇に対抗するため、今の物件で収益増になる方法を見つけていくしかありません。
今の物件の中で、空きスペースを活用するのも一つ。
また、今まで普通に使っているスペースを改造し、付加価値をつけることもなど。
例えば、屋外の駐輪場だったとします。
それに、壁と屋根、扉を設置。
防犯対策がされた、有料の駐輪場をつくるなど。
そう考えると、あなたの物件は、まだまだ収益を上げる可能性を秘めていると思いますよ。
ー岸下 大輔