ネーミング
@オフィスにて
4月になりましたね。
あなたの物件の入居は、どうでしたか?
特に、学生向けマンションやアパートを運営されている方は、本当に正念場だったと思います。
で、入居が決まり引っ越しが終わると、オーナーとしては、そこで終了!と思いたい。
でも実際には、入居してから、「大家さん、あそこが…」「こちらに不具合が…」と細々した問題が出てくるのは、ホント毎回のこと。
中には、「嘘つけ!」と言いたくなるようなものもありますが。
いずれにしても、あと少しです。
がんばりましょう。
もし、あなたの物件が、もう一歩、決まりきっていないなら、焦らなくても大丈夫。
もう一度深呼吸しましょう。
で、ご自身の物件を、改めてチェックです。
可能なら、第三者にも同行してもらいましょう。
何が足りないのか?もう少し何をテコ入れした方がいいのか?など、次に進み出すことが大事ですよ。
その上で、「ネーミング」にも注意しましょう。
「ネーミング」というのは、非常に強力です。
どういうことかというと、会社など何でもそうですが、例えば会議をするとします。
その際、「営業会議」とした場合と、「4月限定、20代男性、単身者向けの特別キャンペーンについて」とした方が、より密度の濃い会議になるという調査結果が出ています。
もちろん、時間の短縮にも繋がります。
このネーミングは、どの種類にも活用ができます。
実は、このネーミングで、世界中が一気に不況になった例があります。
その不況の中を、あなたも生きて来られました。
なんだか、わかりますか?
それは、「リーマン・ショック」です。
ウィキペディアには、
リーマン・ショックは、2008年9月15日に、アメリカ合衆国の投資銀行であるリーマン・ブラザーズ・ホールディングスが経営破綻したことに端を発して、連鎖的に世界規模の金融危機が発生した事象を総括的によぶ。
とあります。
リーマン・ブラザーズ証券が、世界中に直接の影響力を持っていた訳ではありません。
この「世界レベルの大手証券会社が破綻した」ということを、このネーミングの力によって、世界中に「不況になる」とイメージが広がり、世界中の多くの方が不安に思っていたことが、現実になりました。
景気の「気」は、気持ちの「気」ですから、気持ちの影響を多いに受けます。
ネーミングが大切なことを、ご理解頂いたと思うので、話しを元に戻しましょう。
管理会社の担当マンは、入居後も、様々な業務に追われています。
その担当マンからみても、漠然と「大きな問題」と捉えられるような、時間の掛かるような話し方や伝え方だと、こちらの言うことを聞いてもらえません。
だって、その担当マンは、ほかのオーナーの物件も担当していますから。
その担当マンの中で、知らぬ間に作り上げた、各オーナーへのパワーバランス、上司との関係から、どの物件のどの問題から着手すべきか?責任をもつのは?他の人に振るだけ振って責任を取らないのは?など、一瞬で判断しています。
これって、人間が無意識に判断しているんですよ。
だから、さっきのネーミング。
内容を絞り込み、漠然で時間が掛かりそう、邪魔くさそう…と敬遠させるのではなく、ネーミングで内容をイメージさせ、伝えるようにする。
事前に、誰の協力が必要なのか、どうするべきなのか?も判断がつくようになります。
何もこれは、他人へのことだけではありません。
ご自身に対しても同じです。ネーミングにより行動が取りやすくなります。
そして、ネーミングは何に対して有効です。
良くすることも、悪くすることも。
あなたは、このネーミングをつかって、最後の空室をどう埋めますか?
―岸下 大輔