京町家は儲かる?
@オフィスにて
通常の賃貸住宅で、新築に一番プレミアム価格がついて、貸し出し賃料が高い。
それはそうですよね?
「ここぞ」とばかりに、高値をつけて挑戦することだってできる。
それが新築というプレミア。
その建物としては、一度しかないチャンス。
何もかもが新品で、設備・機能だって最新鋭。
ただこれが10年もすると、様々な箇所が痛み始めて、手を入れなければならない状態がスタートしてきます。
資産という見方をすれば、減価償却できるものもどんどん減っていき、帳簿上の処理で言うと、価値がなくなっていく。
木造の償却年数は、22年。
鉄筋コンクリート造は47年なので、半分以下の年数です。
つまり、木造住宅であれば、築23年目以降の建物は、そのものの価値が無いという扱い…。
木造住宅といえど、それこそ、ピンキリだと思いませんか?
確かに、朽ちてしまって「ほんとにこんなもの価値ないわ(失礼しました)」
といいたくなるような、木造住宅もありますけどね。
そんな木造住宅でも、プレミア価格がつく建物があります。
しかも、新築ではなくて、かなり築年数が経っているもの。
それは、件名にもある、京町家。
もちろん、当時のままとはいきません。
昔ながらの良い部分を残しつつ、各種、現代の最新設備を取り入れます。
なんといっても京町家は寒い。この辺の対策も抜かりなく。
そういった大規模修繕をする、という前提はありますけども。
ちなみに、先日読んだ資料では、改修費が2,000万円かかったそうです。
ですが、近隣相場で同じような面積、もしくは間取りと比べた時に、その家賃の差は約10万円。
その京町家の家賃は、250,000円の家賃設定と聞きました。
戦前の建築で、ですよ。
しかもこの場合、表面利回りが、15%にも及びます。
なかなかの好物件ですよね。
収益物件は、利回りが全てではありませんが、一基準としては、やはり有効な指標。
それが15%ですから、かなりのものなんじゃないでしょうか?
7年で工事費は回収できます。
ただし、これは所有している場合の計算です。
もし、あなたが新規で購入する場合は、この利回りまでは、さすがにいきません。
ただ、京町家は通常の賃貸に限らず、民泊やゲストハウスなどという活用方法だけでなく、ご自身が住まうことも、転売も可能です。
民泊やゲストハウスの事業に特化してしまえば、事業としても成立していくのではないでしょうか。
まさに、減価償却からみた資産云々ではなく、付加価値をつけ投資する方法です。
だって、実物もありますから。
この手法は、何も京町家だけではありません。
一般の木造住宅でも、可能ですよ。
こちらは、また別の機会に。
ただし、京町家にしても、いいことばかりではありません。
資金的なところは、金融機関からの後押しがあれば、何とかなると思うのですが、やはりかなりの改修費になってしまいます。
また、築年数が築年数なので、簡易な工事で終えてしまうと、後々が大変。
そもそも、京町家は維持費に、ある程度、費用のかかる物件。
物件を継承していくって、本当に大変だなぁと思います。
以前にも書きましたが、2016年に京都市が行なった調査では、京町家の残存件数が40,140軒。空き家率は14.5%を記録します。
前回調査を行った7年前と比べて、5,600件の京町家が消失し、空き家率は4%も上昇しています。
平均すると、2〜3軒/日の京町家が消失しています。
現実は、予想外の厳しさもあるでしょうし。
でも、京都ブランドは、首都圏には大人気です。
その証拠に、建物バブルは続いてますし、京都特集をテレビ番組がやれば高視聴率、雑誌であれば売り上げ増が言われています。
この京町家、あなたなら、手をつけますか?つけませんか?
―岸下 大輔