こりゃ、入居は決まらんって
@スタバにて
先日、あるオーナーからの依頼がありました。
「なかなか入居が決まらない部屋があるし、どうしたら決まるか、ちょっと見て欲しい」
と言うもの。
行く前に、事前にネット情報から物件をチェックしてみるも、これといってどこか悪そうな所がありません。
確かに、なんで決まらないんですかね?
やっぱり、現地調査が必要だ!ということで現地に行ってきました。
入居が決まりやすい部屋って、それなりに理由があります。
同じように、決まらない部屋は、それなりの理由があります。
もちろん各物件によって、かたや問題でもかたや問題でないこともあるので、今回の内容は実際にあった例で話しますね。
もしかすると、あなたの物件に当てはまるかも。
まず、ここのお部屋は、原状回復工事は終わっています。
何か物が残ってるいるとか、掃除してないとか、そんなことではありません。
原状回復工事で、ちゃんと掃除までされてます。でも決まらない。
確かに、条件もあるでしょう。
近隣よりちょっと割高感は否めません。
かといって、家賃を下げれば決まるかも知れませんが、それでは芸がない。
家賃ていうのは、「それを出すだけの価値がある」と判断してもらえれば、変な話、いくらだって出してもらえる可能性があります。
あなたは、ご自身の物件なので、どんな情報がなくとも、過剰に評価しがちです。
でも、その価値を伝えきれていない。
その価値がちゃんと伝わり、その価値が欲しいと思ってもらえれば、人はお金に糸目をつけなくなります。
あなたにも、そんな経験があるのではないでしょうか?
人は感情で物を買い、後付けの理屈で納得する。
払えるか払えないかは、本人が決めることです。
そこで大事なのは、その金額内に見合うだけの価値があるかどうか。
あと一つ言えば、それに見合う、見栄えがあれば、尚良しでしょう。
その物件はある程度、見栄えも良くされていました。ただ一部だけ、見栄えが悪い部分があり、全体をチープに見せてしまっていました。
他がちゃんとしてあると、そこが目立つんですよ。
その物件オーナーは、自分でちょこちょこDIY工事をされる、器用な方です。
今回、それをされていたのが、ペンキ部分。
ペンキは簡単そうに見えますし、実際、道具の進化で簡単に塗れるものになってきました。
でも、プロは養生から下地処理まで、きっちりやります。
素人工事ほど、一発での完成に重きを置き、それを失敗。
そこからまた繰り返し。最後はムラが酷くなって、見られない状態になることが…。
で、プロに頼み、結局、高くつくことに。
最初にサッとやったときは、うまくいったように見えても、時間が経てば失敗が目につきだす。
プロは、失敗してもリカバリーの方法を知っているので、そこが差となって現れます。
ちょっと、その部分が目にはつきますが、ここだけでそんなに足を引っ張る?という感じ。
実は、ほかにも、というより、こちらの方が決定的です。
それは、そのお部屋は内見に来るものの、決まりにくかった物件。
「それって、この臭いが原因じゃないですか?」
「臭いって、やっぱりそんなに臭う?」
何となくですが、微かに下水臭いんです。
でも、オーナーもあまり意識できないほど、臭っている物件って、結構多いんですよ。
例えば、トイレの便器内に溜まっていた水が、乾燥してしまって干上がり、下水の臭いがあがってきたりすることも。
もっとも多いのが、洗濯パンの排水トラップ。
そもそも、排水トラップは、水が溜まっていないと機能しません。
トラップ機能が効かないほど水が乾けば、多少の隙間でもあれば、臭いが上がってきます。
ほかには、洗面所やキッチン、浴室の排水トラップです。
この上がってきた臭いが、壁紙にくっ付いて取れなくなることも。
そうなれば、臭いの発生元がわからず、何だか、部屋中が臭く思います。
トラップ以外に、元々排水漏れの場合もありますしね。
どちらにしても、男性より女性の方が、臭いに敏感です。
しかも、嫌な臭いほど。
せっかく、他の部分を気に入っても、この臭いがあると、すべてマイナスに働きます。
厄介なのが、こういった臭いにオーナーが慣れてしまっている場合があります。
今回の場合が、まさにそうでした。
そうなると、第三者にそう言われても、なかなかピンっときません。
内見してくれた方は、本音でズバッということがあります。
耳の痛いこともあるので、つい聞き流しがちですが、原因究明が必要ですよ。
せっかくの内見です。
しっかり入居に結びつくよう、最後まで気を配りましょう。
あなたは、内見の方に、どんな気を配ってますか?
ー岸下 大輔